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中国OEMの契約・支払条件|押さえておきたい支払い・検収・補償の基本

2026 10/26
中国OEM

中国でOEM・ODMによる商品開発を進める際、「どの工場に頼むか」「どんな品質にするか」といった製品面ばかりに目が行きがちですが、実は契約と支払条件の設計こそが、トラブルを防ぎ、長く付き合える工場関係をつくる土台になります。

本記事では、中国OEM取引で必ず押さえておきたい契約項目・支払条件・検収と補償の考え方を実務目線で解説します。初めて中国での商品開発に挑戦する方にも分かるよう、一般的な相場と理由まで含めて整理しました。

目次

契約で必ず決めておきたい5つの項目

中国OEMの契約は、日本の商習慣とは異なる部分が多くあります。口頭での合意やLINEでのやり取りだけでは、後から「言った・言わない」の争いになりがちです。最低でも以下の5点は書面で明確にしておきましょう。

① 製品仕様と検収基準

材質・寸法・重量・色・印刷位置などは、数値と写真で具体的に定義します。「サンプルどおり」という表現だけでは、合意の幅が広すぎて紛争の種になります。検収基準(合格ライン)は、「外観検査の距離・時間」「不良とみなす範囲」「AQL(抜き取り検査の許容水準)」まで落とし込んで共有するのが理想です。

② 支払条件(前払と残金のバランス)

中国の工場との取引では「前払い」が一般的です。工場側にとっては、材料の手配や生産ラインの確保に前もって資金が必要だからです。支払タイミングと比率は契約書に明記し、出荷前検品の合格を残金支払の条件にしておくと、品質面の交渉力を保てます。

③ 金型費・開発費の帰属

金型(モールド)や治具の費用を誰が負担するか、そして金型の所有権がどちらにあるかは重要なポイントです。自社が金型費を負担したにもかかわらず、所有権が工場側にあると、他の工場への移管ができない「金型の人質」状態になりかねません。「金型費を全額負担する場合は所有権も自社」「一部負担の場合は残数に応じて返金」など、条件を明文化しましょう。

④ 不良発生時の補償条項

万一、納品後に不良が見つかった場合の対応(返品・交換・減額・再製造)と、その費用負担の範囲を契約に盛り込みます。特に輸入品は返品の手間と費用が大きいため、「不良率が基準を超えた場合の補償方法」を事前に決めておくことが重要です。

⑤ 知的財産権と秘密保持(NDA)

自社オリジナルの商品を生産する場合は、デザイン・図面・金型が他の顧客に流用されないよう、秘密保持契約(NDA)と知的財産権の帰属を明確にします。中国では「著作権・意匠権の登記」を現地で行っておくことが、権利行使の際に有効です。

中国OEM取引で一般的な支払条件

基本はT/T(電信送金)

中国とのOEM取引で最も一般的な決済手段はT/T(Telegraphic Transfer:電信送金)です。手数料が比較的安く、対応している銀行も多いため、小ロットから量産まで幅広く使われています。

「30%前払+70%出荷前残金」が相場

多くの工場で提案されるのが、契約時に30%の前払い(デポジット)、出荷前に残りの70%を支払うという条件です。この構成には理由があります。

  • 前払30%:原材料の購入と生産準備の資金確保
  • 残金70%:出荷前検品をパスした後の支払いで、品質リスクを抑える

前払比率が50%を超える場合は、資金リスクが高まるため注意が必要です。初回取引の相手先や、金額が大きい案件では、出荷前検品(第三者検品を含む)を支払条件と連動させることをおすすめします。

L/C(信用状)やその他の決済

金額が大きい取引ではL/C(Letter of Credit:信用状)を使うこともありますが、手数料と事務負担が大きく、日本の中小企業のOEM取引ではT/Tが主流です。近年は越境決済サービスを利用するケースも増えていますが、為替コストと資金の到着タイミングを含めて比較しましょう。

見積書で確認すべき価格の内訳

支払条件とセットで確認したいのが見積書の内容です。単価だけ見ずに、以下の点をチェックしましょう。

  • 価格条件(FOB/CIF等):FOBなら中国の港での船積みまで、CIFなら日本の港までの運賃・保険料込み。比較する際は同じ条件で揃える
  • 為替の前提:見積もり時の人民元レートと、レート変動時の調整条項の有無
  • 原材料価格の有効期限:樹脂や紙の価格は変動するため、見積もりの有効期限を確認
  • 梱包・ラベル・化粧箱の費用:本体価格に含まれるか別途か
  • 検品・試験費用:全数検品や食品衛生試験など、品質確認の費用負担

「本体単価が安いのに、梱包や検品で追加請求が来た」というケースは少なくありません。総額(ランディングコスト)で比較することが重要です。

よくあるトラブルと契約での防止策

中国OEM取引で起きやすいトラブルと、契約段階でできる防止策をまとめました。

トラブル防止策(契約・運用)
納品後に品質が変わった限度見本(リミットサンプル)の保管と、仕様書への検収基準明記
前払したのに生産が進まない工程ごとの進捗報告を義務付け、遅延時の違約条項を設定
金型を返してもらえない金型費の負担割合と所有権を契約書に明記
不良品の補償で揉めた不良時の対応(再製造・減額)と費用負担を事前に合意
価格の事後引き上げ原材料変動の調整条項と有効期限を明記

契約書は「作って終わり」ではなく、発注のたびに注文書(PO)と突き合わせて運用することが大切です。仕様書・見積書・注文書・契約書の4点セットを揃えると、トラブルのほとんどは防げます。

私たちのサポート

千恵ジャパンは、中国でのOEM・ODM商品開発をワンストップで支援しています。契約・支払条件の面でも、以下のような形でお手伝いします。

  • 工場との契約・支払条件の調整と日本語での確認
  • 仕様書・検収基準の作成サポート(限度見本の管理も含む)
  • 生産中の進捗報告と、日本語でのリアルタイム連絡
  • 出荷前の全数検品(中国現地スタッフによる直接検品)

「初めての中国OEMで、契約や支払いが不安」という方は、ぜひお問い合わせフォームからご相談ください。商品の企画段階から無料でご相談いただけます。

よくあるご質問

Q. 前払いが50%以上を求められたら、そのまま受け入れるべきですか?

A. 初回取引や特注品では高めの前払を求められることがありますが、50%を超える場合は、理由を確認し、工程ごとの進捗報告や出荷前検品を条件に付けることをおすすめします。相手先の信用調査も並行して行いましょう。

Q. 契約書は中国語と日本語、どちらで作ればいいですか?

A. 工場との取り交わしは中国語が基本ですが、日本語対訳を付け、「文言に齟齬がある場合は日本語版を優先」などの条項を入れるのが安全です。重要な契約は、中国法に詳しい専門家のチェックを受けることをおすすめします。

Q. 検品で不良が見つかった場合、支払いは止められますか?

A. 「出荷前検品の合格を残金支払の条件」と契約に明記しておけば、検品不合格を理由に支払を保留し、再製造や修正を求めることができます。この条項があるかないかで、品質交渉の立ち位置が大きく変わります。

まとめ

  • 中国OEMの契約は「仕様・支払・金型・補償・秘密保持」の5点を書面で固める
  • 支払条件の相場は「30%前払+70%出荷前残金」で、検品合格を支払条件に連動させる
  • 見積もりは本体単価ではなく、FOB/CIF・梱包・検品を含む総額で比較する
  • 仕様書・見積書・注文書・契約書の4点セットで運用すれば、トラブルの大半は防止できる

千恵ジャパンでは、商品企画から工場選定、契約・支払条件の調整、検品、輸入まで一貫してサポートしています。お気軽にご相談ください。

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